Webマーケティング界隈でよく聞かれる「リスト取り」という言葉があります。
これは一体どのようなものなのでしょう?
特にコンサル上がりの広告担当者がリスト取りに重きを置いていたり、あるいはWeb広告の中でも業歴の長い担当者は「最終的に全てリスト取りに繋げるように」と指導を行うなど、何やら「リスト取り信仰」のようなものがあると言っても過言ではありません。
そこで、ここではよく聞かれるリスト取りという言葉についてどういったものなのかをわかりやすく解説するとともに、実際にどのようにリスト取りをすればよいのかについても解説していきます。
目次
【そもそも】リストとは?
そもそもリストとは何なのでしょう。
これは厳密に言えばハウスリストのことを指しています。
これらは過去に自社の商材を購入した人の履歴や、あるいは自社に問合せを行っている方の履歴、その他自社が提供している無料の情報に申し込みは応募のあった人のリストなどが含まれています。
基本的には自社の営業活動に対する見込み客のリストと言ってよいでしょう。
(一部の業者さんではリストを購入してくることを勧めてくるケースもありますが、当社ではあまり積極的にはおすすめしていません)
Webマーケティングの業界では古くから親しまれているものでもあります。
ちなみに余談ですが、ハウスリストは元々古くは江戸時代から古来日本でも重宝されてきたものでもあります。
とは言え江戸時代にハウスリストなどというおしゃれな名前が付いている訳もなく・・・当時は顧客台帳などと呼ばれました。
江戸の商人は新規に広告やチラシを撒くよりも、こうした見込み客や既存客に対する営業が重要であると認識しており、江戸時代の商家が火事になった際には「いの一番」にこの顧客台帳を持って逃げ出したという逸話もあります。
また物によっては耐水ペーパーのような仕組みの紙が当時にもあり、これに顧客台帳を書き込んで火事や有事の際には井戸に放り込んだともいわれています。
これほどまでに我々日本人とリスト取りの相性は良いのです。
リスト取りとは?
上記を踏まえてリスト取りとは、どのようなものなのかについて解説します。
これは単純にリストを取る、つまり見込み客の連絡先情報を取得することを言います。
具体的には顧客の連絡先や購買データ、その他リストによっては趣味嗜好や家族構成まで詳細な情報を詰め込めるケースもあります。
これにより、例えば購買履歴のあるお客様の中で「お子様の誕生日が近い方」には自動で、何かしらの割引をつけたメールやお祝いのメッセージを添えるといったことも可能となるわけです。
こうした手法は従来企業が行なっているメールマガジンでの営業に近いものがありますが、最近は公式LINEなどに引き継がれているといった側面も見られます。
このようにリストさえデータとして残っていれば、どのような媒体で営業をかけるかもある程度自由が利くというのもリストマーケティングのいいところです。
リスト取りのメリット
リストを取ることによるメリットをご紹介していきます。
と言ってもリストを取ってマーケティングを行うことは極めて多くのメリットをもたらしてくれるため、ここでは大きなものをいくつか厳選してご紹介していきます。
単純にCVRが高くなりやすい
まずはなんと言っても、単純にCVRが高くなるということです。
例えばAという商品を売りたいとして、その商品に興味を持っているBさんにアプローチするとします。
この時、HPへの集客動線としてリストへの直接連絡が有効です。
つまり、Bさんの興味のある商品やサービスについて、Bさんへダイレクトに連絡ができるのがポイントとなります。いわば、売りたい商品に興味があると事前にわかっている自社の「お得意様」に新商品を案内するようなものですね。
この方法は、自社サイトで商品を販売している企業であれば、非常に有効な手法だと言えます。
SEO対策の急激な変動があっても対応できる
WEB業界はリスティング広告出稿以外にSEOで順位をあげて集客する手法が一般的となっています。
しかし、Googleアルゴリズムの変更などで、突然検索結果から消えてしまうこともあります。
その時でも、リスト取りをしていればこうしたSEOの急激な変動にかかわらず、安定した集客が可能になります。
新規の顧客獲得広告費がかかりづらい
新規に顧客獲得を行う際、やはりある程度のコストがかかるものですが、リスト取りを行っていれば、そうしたコストを大幅に削減することができます。
というのも、やはり商材によってはリスティング広告でリーチしたとしてもLP一発でいきなり購入に至るのが中々難しいというケースもあります。
例えばその最たるものが車両の販売や不動産の販売など、いわゆる高額な商品を扱う場合です。
そこで、リスティング広告からリーチした層にまずは訴求を行い、そこからさらに取りこぼし防止でリスト取りを行うことで、購買に至らなかった場合でも顧客の連絡先を得てそこから顧客の教育を行えます。
セグメントに応じてより詳細な営業活動が可能となる
これは特に中小企業にとっては非常に重要なことであり、かつ、リスト取り&リストマーケティングの最も優れた点とも言えます。
中小企業の場合、大企業のように営業マンを多く抱えることはできません。
そのため、営業マンが一人ひとりに対して個別にヒアリングを行い、ニーズを把握して、それに合った提案をする必要があるのに対し、なかなか達成できないというケースが多いのです。
しかし、リスト取り&リストマーケティングによって、見込み客の情報を一元管理することで、これらの問題を一気に解決することが可能となります。
リストを取得する際には先述の通り、顧客の様々な情報や属性、その他興味、あるいは誕生日など、営業上で「取っ掛かり」になりそうな情報が取得できるため、それを元に営業活動を行えば、効率的に売上を伸ばすことが可能となるわけです。
そこに加えて上記の様なメリットもついてきますので、相乗効果で結果的にCVRの向上はもちろん、顧客満足度、ひいてはLTVにいたるまで向上させることができます。
リスト取りのデメリット
とはいえ、リスト取りにもデメリットはあります。
こうしたデメリットを理解している(=自社では対応できないor対応コストがかかりすぎる)からこそリスト取りを行わない、と決める経営者の方もいらっしゃいます。
具体的には以下のようなデメリットがありますので、順に解説します。
- 定期的な新規獲得が必要
- リストクレンジングが必要なケースもある
- オプトイン・オプトアウトの兼ね合いが難しい
定期的な新規獲得が必要
やはりリストは「ナマモノ」です。
最近はあまり「アド変」という言葉を聞かなくなりましたが、それでもやはり一定期間ごとに使用するメールアドレスや連絡先が変更になるケースはよくあることです。
さらに、リストの中には状況の変化によって見込み客から外れてしまうような方もいるでしょう。
そういった場合は配信し続けることでかえってクレームの元になりますし、そもそも見込みがありませんし、もっと厳密にいえば1件分配信コストが余計にかかる(といっても、1通あたりの情報配信にかかる費用は多くのケースで1円以下ですが・・・)ため、奮いリストにこだわることはオススメできません。
リストクレンジングが必要なケースもある
また、リストには当然ながら不要なものもあります。
例えば、既に他社で契約している顧客であったり、すでに検討中で自社担当中の案件であったりする場合もあります。
もっと言えば上記のようなリストの連絡先変更などもあり、ここでは割愛しますが古いリストに配信してエラーメッセージを受け取る回数が増えるとこれまた自社のメールが迷惑メールとして認識される可能性もあることから、定期的にリストクレンジング(リストの整理整頓・不通連絡先の削除)を行うことは必須となります。
オプトイン・オプトアウトの兼ね合いが難しい
まずオプトインとは、簡単に言うと「あなたから頂いた連絡先(リスト)に今後メールを送ってもいいですか」と許可を得る行為のことを指します。
そして、オプトアウトとは逆に、取得した連絡先に勝手に、あるいは目的外利用でメールを送ることを言います。
つまり、オプトインされたリストは、そのリストの利用者の許可なく、または許可があっても目的外で利用する行為は原則禁止です。
リスト取りの段階では、まだリストの利用者から「このリストは使っていいよ」と正式に許可を得ているわけではないので、ここから利用規約等々できちんと情報配信の許可を得る導線設計が重要になってきます。
よく名刺交換した相手の連絡先に勝手にメールを送るケースがありますが、これは現代ではオプトアウトの最たる例にあたるケースが多いので、注意しましょう。(抜け道もあるにはありますが、心象はあまりよくありません)
実際にリスト取りをする方法
ここからは、実際にリスト取りをする方法をご紹介していきます。
見積もり提供フォームを作る
まずは、見積もり提供フォームを作り、問い合わせに対して個別の見積もりを送る方法です。
この時「今後弊社から、特別なオファーをさせていただきます」という旨の文言を入れることがポイントです。
こうすることで、その見積もりからCVしなかったとしても、期間を空けて再アプローチがしやすくなります。
特別なカタログや電子書籍をプレゼントする
次に、特別に作成した資料や書籍をプレゼントするパターンです。
このような付加価値を提供することで、見込み客に喜んでもらうと同時に、興味関心を惹くことができます。
メールマガジンを発行する
メールマガジンを発行してリストの利用者にメルマガを配信するパターンです。
リストの利用者に「興味のある内容」や「役に立つ情報」を届けることで、利用者の心を掴めます。
まとめ
今回は「リスト取り」について解説しました。
リスト取りは、顧客との接触機会を増やし、それを最大限に活かすことができる手法です。リスト取りを行うことで、見込み客の情報を一元管理することができ、かつ、細分化されたセグメントに対して効果的なアプローチが可能です。
こうした手法の入り口として広告運用を行うことで、今までCVが難しかったような案件も獲得することができるようになります。
ぜひ、この記事を参考に、リスト取りに取り組んでみてください。
また「どういう広告展開がいいのか分からない」といったお悩みについてはぜひ、当社までお気軽にお問合せください。
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