Web広告の実務を担当することになった時、まず困るのが用語の意味。
これがまあ、多いこと多いこと。
代理店も運用業者も(そしてプラットフォームも)平気で専門用語を使うため、まずは意味を理解することが運用における重要なポイントとなります。
ここでは2022年現在でよく使われるWeb広告用語を、どこよりも詳しく解説していきます。
ブックマークして備忘録にお使いいただくもよし、印刷して上長に見せるもよし、お仕事に活用してください。
アクセス解析で必要な用語と意味
まずはアクセス解析周りで必要な用語と意味を解説していきます。
CTA(Call To Action)
「CTA」は英語で「行動を促す」という意味です。
CTAは一般的にWebページやブログ記事に設置するボタンや誘導先のことで、ユーザーに対して購入やサービスの加入、その他問い合わせなど、行動を促すよう求めるものです。
CTAをしっかり設置することで、いわゆるユーザーの「取りこぼし(離脱)」を最大限に防止することも出来るでしょう。
LP(Landing Page)
「LP」は英語で「ランディングページ」という意味です。
サービスや商品の訴求を行い、購入・申し込みに至るまでのユーザーの流れを作るために用いられるページのことです。
LPは訴求先となる広告のページへアクセスしたり、キーワード検索をした際に、最初に公式のサイトとしてユーザーが確認するページとなります。
よって、LPのデザインはユーザーの導線・流れを考えることが大切です。
LPをうまく設計することで、アクセスしてきたユーザーの「取りこぼし」を防ぐことができるでしょう。
LPO(Landing Page Optimization)
「LPO」は英語で「ランディングページ最適化」という意味です。 LPをより効果的に作るために行う最適化のことです。
LPOには以下のような手法があります。
- ・LPのデザインを見やすくし、目線を引きやすくする
- ・LPのコンテンツをわかりやすくする
- ・LPの内容と顧客のニーズが一致しているか確認・分析する
- ・LPにアクセスしやすくする(SEO、表示速度なども重要)
これらの手法を用いることで、LPの精読率やコンバージョン率を上げることができるでしょう。
PV(Page View)
「PV」は英語で「ページビュー」という意味です。PVはWebページを閲覧するたびにカウントされます。
PV数はアクセス解析において大切な指標の一つで、時間帯や端末などでPV数が変化することから、ユーザーの行動や閲覧環境を把握するのに役立ちます。
一般的にはPVが多ければ多いほど人気のサイトや記事であると考えられますが、実際にはコンバージョン率や直帰率などといった指標もあわせて考える必要があります。
UU(Unique User)
「UU」は英語で「ユニークユーザー」という意味です。
UUはアクセス解析において大切な指標の一つで、PVとは異なり、1つのIPアドレスや端末を1回しかカウントしません。
UU数を把握することで、ユーザーが複数回アクセスすることも考慮したサイトの人気状況を把握することができます。
セッション
セッションもまたアクセス解析において大切な指標の一つで、ユーザーが1度のアクセスで閲覧したページ数や時間などを表します。
セッション数を把握することで、ユーザーがサイトをどのくらいの頻度で閲覧しているか、どのくらいの時間を費やしているかを把握することができます。
直帰率
「直帰率」はサイトやページにアクセスしたユーザーが、他のページや情報にアクセスせず「そのままサイトを離れてしまう」割合を表します。
直帰率が高い場合は、そのサイトやページに関心がない、あるいは関心を持っているユーザーにとっては情報不足である可能性があります。この場合はサイトやページをより見やすくするか、より関連性の高い情報を提供する必要があります。
離脱率
「離脱率」はユーザーがサイトやページにアクセスし、いくつか回遊したあとでサイトを離れてしまう割合を表します。
直帰率と離脱率の違いは、直帰率はユーザーが情報を見つけに行かずにサイトを離れてしまう割合であるのに対し、離脱率はユーザーが情報を探しに行っても見つからずにサイトを離れてしまう割合です。
この場合はユーザーが求めている情報をサイト内に掲載しているか、より見やすくするか、より探しやすくする必要があります。
リファラー
「リファラー」は、ユーザーがサイトにアクセスするために入力したURL(ユーザーのアクセス元)を表します。
リファラーには次のような種類があります。
- ・直接アクセス:URLを直接入力した場合
- ・検索エンジン:検索エンジン(Google、Yahoo!、Bingなど)で検索した結果にアクセスした場合
- ・外部サイト:外部サイト(他のサイトやブログ)からリンクをたどってアクセスした場合
- ・メール:メールで送られたリンクをたどってアクセスした場合
- ・アプリ:アプリ(スマートフォンアプリなど)からアクセスした場合
リファラーを把握することで、ユーザーがサイトにアクセスする方法を知ることができます。
また、リファラーを分析することで、ユーザーのアクセス元を分析してサイトをより良くするために役立てることもできます。
広告運用実務で必要な用語と意味
広告運用実務で必要な用語と意味を解説していきます。
ABテスト
ABテストとは、2つ以上の広告を自動的にランダムに表示させ、それぞれのバージョンのクリック率・成約率などを比較するテストです。
ABテストを用いることで、より効果的なバージョンを測定して数字を追求できます。また、一般的にA/Bテストは双方で差が大きいほうが効果測定結果が明確で、改善策が出しやすくなります。
CPC(Cost Per Click)
CPCは広告主が広告運用代理店(またはプラットフォーム)に支払う広告費用の計算方法です。
CPCは広告クリック数に対して固定金額を支払う方式で、広告クリック率が高いほど多く費用がかかります。
例えばCPCが160円の場合、1,000クリックを集めると160,000円がかかります。
CPM(Cost Per Mille)
CPMは広告のインプレッション数(たいてい1,000単位です)に対して固定金額を支払う方式で、表示された広告がクリックされてもされなくても費用がかかります。
例えばCPMが500円の場合、100,000インプレッションを集めると500,000円がかかります。
CVR(Conversion Rate)
CVRはコンバージョン率とも呼ばれ、コンバージョン数÷クリック数×100%という計算方法で求められます。
CVRはLPの完成度やクリエイティブの「刺さり具合」、また最近ではSNS広告がバズるケースもあるため、こういった指標で大きく変動します。
CPA(Cost Per Action)
CPAはアクション単価とも呼ばれ、アクション数(購入数や登録数など)に対して固定金額を支払う方式です。
アクション数が多ければ多いほど多く費用がかかります。例えばCPAが5,000円の場合、1,000アクションを達成した場合は5,000,000円がかかります。
CTR(Click Through Rate)
CTRはクリック率とも呼ばれ、広告クリック数÷インプレッション数×100%という計算方法で求められます。
CTRは広告のクリエイティブやコピー、そしてターゲティングの設定によって大きく変動します。
CV(コンバージョン)
CVとは、広告をクリックしてLP(ランディングページ)にアクセスしたユーザーが、決められたアクション(購入、登録など)を実行した数を指します。
ROAS(Rerurn On Advertising Spend)
ROASとは、広告費用対効果とも呼ばれ、広告費用÷売上高×100%という計算方法で求められます。
例えば自社サービスに月200万円の広告費を投下(投資)し、広告経由での売上が600万円だった場合、ROASは300%となります。
ただここで注意したいのは、ROAS100%は損益分岐点であり、いわゆる「プラマイゼロ」の状態であることです。
広告ネットワークで必要な用語と意味
場合によっては広告ネットワーク(アドネットワーク)を触るケースもあるため、ここでは主だった用語と意味を解説していきます。
アドネットワーク
アドネットワークは、広告主と広告運用代理店(またはプラットフォーム)とをつなぐ広告ネットワークです。
自社サイトやSNSのみならず、いろいろなサイト・ブログ・アプリの広告画面に広告を配信してくれるネットワークだと思ってください。
アドネットワークを通じて、広告主は広告を配信し、広告運用代理店(またはプラットフォーム)はその広告を配信する広告スペースを提供します。
インプレッション
インプレッションとは、広告が表示された回数を指します。impとも書きます。
インプレッションが多いと一般的には見込み客もそれだけ集まりますが、その他の指標(コンバージョン率やクリック率など)と組み合わせて分析することで、より見込み客の質を把握することができます。
エンゲージメント
エンゲージメントとは、ユーザーがサイトにアクセスした際に、そのユーザーがサイトやコンテンツに対してどれだけ関わりをもっているかを表す指標です。
エンゲージメントは、ページであればページビュー数やセッション数、アクセス時間など。SNSなら「いいね!」「シェア・共有」「コメント」「(一部動画サイトでは)視聴維持率」などの指標からも計算されます。
サイトやコンテンツのエンゲージメントを上げることで、見込み客をよりよく獲得し、コンバージョン率を上げることができます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、サイトやアプリ上に表示される広告のことです。
ディスプレイ広告にはテキスト広告やバナー広告など様々なタイプがあり、ユーザーが目にするためにはかなり効果的です。
リターゲティング/リマーケティング
リターゲティング/リマーケティングとは、広告主が見込み客をターゲティングする広告手法です。
リターゲティングは、過去にサイトに訪れたことのあるユーザーに、同じ広告を再度表示する手法で、一方、リマーケティングは、過去にサイトに訪れたことのあるユーザーに、関連性の高い広告を表示する手法です。
【Web広告編】広告運用のプロがよく聞かれる質問
Web広告は用語を理解したあと、さらに実務上の疑問にぶつかるケースがほとんどです。
ここではプロがよく聞かれる「Web広告に関するよくある質問」をQ&A形式でまとめて解説していきます。
Q:LPへの流入はありますが、CVRが0.1%台です。どうしたら良いですか。
A:流入客の分析とLPのブラッシュアップ(LPO)が必要です。
LPへの流入があるにも関わらずCVRが0.1%台と低い場合、商材の元々のCVR相場にもよりますが、改善出来る点は多々あるはずです。
まずLPに流入している層と、LPで提供・訴求している商品やサービスの内容がマッチしていない可能性があります。
例えば極端に言えば「ハイエンドな高級時計」を求めているお客さんに対して、「1万円以下で買える腕時計を紹介」「セール情報」などの情報を発信してもあまり刺さることはなさそうです。
その辺りの情報を整理して、配信設定から流入層を調整するか、もしくは現在流入している層に対して訴求できるようにLPの導線を設計し直す必要があります。
あるいは単純にそもそもLPに誤字脱字があったり、動線が冗長で分かりにくいなどの問題点が隠されているかもしれません。その場合は修正すると効果が見込めるでしょう。
ただし後者の場合、一度LPをリニューアルしてしまうと元に戻すのが難しいこともありますので、LPの構成についてよく考えましょう。
また表示速度などの関係で、流入してきたユーザーが離脱しやすいという課題を抱えている可能性も考えられます。その場合も別のアプローチを考えるべきですね。
Q:Web広告はどれを選ぶのがオススメですか。一応、会社のインスタはあります。
A:企業・商材によって向き不向きがあるので一概には言えませんが、一般的には自社サイトを持っている場合Facebook広告で集客する方が汎用性も高く、カスタマイズ性も良いでしょう。
ただFacebook広告の場合はユーザーの年齢層が若干上がってしまうこともあるので、例えばBtoBサービス提供商材であれば好適といってよいでしょう。
またFacebookを運営するMETA社系列のインスタグラムについては商品の機能性よりもインフルエンサーマーケティングやバズなど鮮度の高い商材が好まれる傾向にあるため、こちらを選択される方も多いようです。
逆にSNSでは拡散力はあるものの若年層が多いInstagram、Tiktok広告はターゲットとする顧客層の年齢が低いため、リード系の訴求やECなどに向いていると言えるでしょう。
ただしいずれの手法にせよ、どの媒体を使うにしても基本となる部分は変わりありません。つまり「いかにして自社の魅力を伝えるのか」、「他社との差別化を図るのか」ということにつきます。
Q:出稿クリエイティブが毎回審査落ちします。なぜですか。
A:ガイドライン違反が考えられます。
特にFacebook広告やTwitter広告はセンシティブな要素を含むクリエイティブを極端に嫌うため、審査の際にAIと人力でかなり細かくチェックされています。
そのためクリエイティブ内容によっては申請段階で落とされてしまうことがあるのです。
特に男女問わず肌の露出があるクリエイティブは審査落ちの可能性が高く、その他YMYL(健康・お金に関する内容)に抵触するとAIが判断したクリエイティブもまた審査落ちするか、あるいは出稿審査に通って配信が始まってもすぐに下ろされることが多い傾向にあります。
他にも規約に違反していると思われる場合は、自動でクリエイティブどころかアカウントごと停止になることもあります。
これは各プラットフォーム運営会社が独自の基準を設けており、それに沿っていないものはダメということですね。この辺りは実際に出稿しているプロが最新の情勢を把握しているので、お問い合わせいただくのが宜しいでしょう。
Q:FBの広告アカウントがBANされました。解決法はありますか。
A:ありますが、難易度は高めです。
Facebookは状況によって広告単品ではなく、配信しているアカウントそのものをBANすることがあります。
この場合は異議申し立てを行い、FB側に再審査のリクエストを送ることになります。原因は様々あるので別記事で詳しく解説しますが、基本はFBの再審査結果がすべてです。
どうしてもリクエストが通らない場合は新しいアカウントで仕切り直しが必要となります。一方、リクエストが通るケースもあります。
例として「問題ない広告を出稿しているのにAIが誤BANした」「FBがセキュリティ上の問題を自動検知した」といったケースです。こういった事案ではリクエストによってアカウントが再開出来るケースもあります。
Q:Web広告が何度やっても出稿NGになります。でもクリエイティブは通ります。なぜですか。
A:「中身」の記事に問題があるケースが考えられます。
クリエイティブの審査は通っている様に見えるが、誘導先のURLが原因となって出稿NGになるケースもあります。
これはプラットフォーム問わず、配信開始後数分~1時間程度でステータスが「保留中」になることで判明するケースがほとんどです。
これはFacebookや広告プラットフォームが配信開始後に誘導先URLの内容を自動チェックし、問題のある表現やプラットフォームが嫌うような表現を検知した場合に、そのページへのリンクを一時的にブロックするという仕組みになっています。
この機能が働いた場合、いくら頑張っても成果には繋がりません。
ちなみに似たような事例として「クリエイティブと中身が合っていない」というケースも対象になりえます。
例えば(※当社の施策ではありませんが)実際にあった事例として、ダイエット系商材の広告主様がFacebook広告に「健康イキイキ食品まとめ!(仮)」というタイトル・クリエイティブで広告を出稿したものの、中身はダイエット系商材のLPだったというものがあります。
これは広告出稿審査を意識してタイトルとクリエイティブを問題なさそうなものにしておき、中身で攻めた訴求を行うLPを配置していたというパターンです。
最近はプラットフォーム側が飛び先のURLもチェックすることが多いので、こうしたミスマッチが起こる可能性は少なからずあるでしょう。
まとめ
今回は広告関連でよく出てくる頻出単語を意味・解説とともに紹介してきました。用語を理解していると実務もスムーズなので、ぜひ反復して御覧ください。
弊社では伴走型のインハウス支援により、 「広告担当者の育成」を承っております。
・広告運用の品質はプロ水準
・実際に運用するのは貴社(貴院)広告担当者
・広告代理店への外注・委託と異なり、ノウハウやテクニックは自社(自院)に残る
といった特長があります。
さらに弊社は「薬事法管理者在籍のインターネット広告代理店」です。
よって薬機法・医療広告ガイドライン等の各種関連法規についても対応が可能となっており、さらに
・YMAA(薬機法、医療広告ガイドラインの知識を習得した広告取扱担当者)
・KTAA(景品表示法・特定商取引法の知識を習得した広告取扱者)
も取得しておりますので、高い水準での広告運用をご提供可能です。
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