最近、広告の手法として注目を集めるようになってきたのが「動画」です。
しかし、いざ動画広告を作ろうと思っても、どうすればいいかわからない方も多いのではないでしょうか。特に動画広告は撮影以前に尺やサイズ、出稿方法によってフォーマットも変わってくるため、なかなか一朝一夕にマスターするのは難しいものでもあります。
そこで今回は、YouTube、そして最近流行りのTiktokをはじめとする各種動画広告の始め方を解説するとともに、正しい撮影・制作のコツを紹介します。
動画広告の制作手順
冒頭からで恐縮ですが、まずは動画広告を作る際の基本的な流れを見ていきましょう。
1.媒体の決定
まずは、動画広告を作りたい(配信したい)媒体を決めます。
YoutubeなのかTiktokなのか、あるいは通常のサイトにインバナーで出稿するのかによって制作すべき動画も変わってくるので、事前に決めておきましょう。
また、動画広告は「尺」も重要です。
出稿媒体や方法に応じて、秒数も適宜調整しましょう。
そのため、動画の内容も、ターゲット層や伝えたいメッセージ、あるいは動画の見せ方・尺などによって変えていく必要があります。
そして、動画広告は、動画の閲覧状況を見ながら、リアルタイムに最適化していく必要があるので、その点も考慮しておくべきでしょう。
2.ツールの用意
続いて、動画広告を制作する際に必要なツールです。
動画広告は、基本的にこだわればこだわるほどツールも複雑化していくので、基本的にスタート段階にあってはスマホ、スマホアプリ(Capcutが有名です)、PC、あとはWebアプリで「Canva」もおすすめです。
3.撮影&編集
最後に撮影および編集です。
撮影については被写体がいるものは事前にスクリプト(台本)を作り、自然な感じで撮れるように練習しておきましょう。
例えば、Youtube広告の場合、動画の画質が粗いと、せっかくの動画広告が台無しになってしまいます。
また、Tiktok広告では、動画の「長さ」も重要です。
短いとメッセージが弱いですし、長いと飽きられてしまいます。動画の長さも重要ですが、それよりも重要なのは「テンポ」です。
ただ、最近はバンパー広告といって6秒尺の動画がありますので、思い切って伝えたいことを2~3言、ドンとメッセージにするのもよいでしょう。
特にTiktokの場合は最初の0.5~1秒でどれだけ印象を残せるかが勝負といって良いでしょう。
なぜ今、動画広告なのか
最近、動画広告を目にする機会が増えたと感じていませんか。
では、なぜ動画広告が注目されているのでしょう。動画広告市場のリアルな実態をご紹介します。
国内動画広告市場は成長フェーズ
近年、テレビCMに代わって、ネット広告が急激に伸びてきています。
特にここ数年で大きく伸びたのが、「動画広告」です。
以前からこうした動画広告はありましたが、大手動画配信サービスのYoutubeがこの数年、無料プランのユーザーに動画広告を見せるようになりはじめたことや、大手動画プラットフォームのTiktokでも広告出稿が開始されたこと、そして何よりこうした動画配信サービスの台頭によってスマホやPCでも動画に触れるユーザーが爆発的に増えたことなどにより、一気に普及が進みました。
2025年には1兆円の市場規模に!?
実際、サイバーエージェントの発表によればこの数年の動画広告市場は前年比100%以上の成長率で推移しており、今後もこの勢いが衰えることはほぼないと予想されています。
2022年の国内動画広告市場は5,601億円であり、2025年には1兆円に達するとの市場予測もあります。
全世代においてこの動画広告はリーチ率が高く、いままで文字による訴求が刺さりづらかった層にも動画であれば訴求がしやすいなどのメリットも見え始めています。
※参考:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施(2023年2月13日プレスリリース)
ちなみに、動画広告が伸びに伸びている理由については、以下のようなものが考えられます。
- スマートフォンの普及
- SNSでの動画投稿の浸透
- YouTuberなどの個人による情報発信の増加
- サブスクリプション型の定額コンテンツの一般化 など
動画広告を行うメリット
動画広告は、映像が使われていて目を引きやすいだけでなく、情報伝達力にも優れています。よって、顧客の心を掴む力強い手段の一つと考えられるでしょう、
以下では、競合企業との差別化、新規顧客獲得、認知度向上といった側面から、動画広告を行うメリットについて詳しく説明していきます。
競合企業との差別化に役立つ
ビジネス界は「差別化」を追求する場であり、その一環として広告手段の選択も重要です。
しかし、新しいことをやるには、その企業の既存のやり方に挑戦し、惰性を打破するだけの勇気が必要になるでしょう。
動画広告こそ、その勇気を応援する広告手段であり、「見たことない」「聞いたことない」といった新鮮な印象を与えることが可能なのです。
「他の企業がやっていないから、ここは独自に動画広告を行ってみよう」。このような視点から、自分たちだけの新しい形の広告を行うことで、競合企業との差別化を図ることができます。
市場規模の拡大により新規顧客獲得を見込める
YouTubeの普及によって、人々の動画視聴時間が増加し、動画広告の市場規模も年々拡大しています。これを追い風に、新規顧客の獲得が期待できるでしょう。
動画は、従来の広告手法と比べて視覚的な情報を大量に伝達できる点が特徴です。よって、広告効果も甚大なものになります。
この大海に向けて広告を打ち出せば、新たな顧客層を切り開くことができるでしょう。より広範なターゲット層にアプローチしていくことで、新たな顧客獲得が見込めるのです、
複数の広告施策を同時に行うことで認知度の向上が可能
複数の広告施策を同時に行うことは、認知度の向上に大きく寄与します。
「認知度向上」と聞くと「広範囲に広告を打つ」ことだけを想像するかもしれません。しかし、例えば、同時期にリアルなイベントを開催し、その映像を動画広告として利用するなどの方法も考えられるでしょう。
幅広い層に、深く認知してもらえるような工夫が必要です。既存の広告手法と組み合わせて、複合的かつ効率的な広告施策を行いましょう。
動画広告の種類
では、実際にどんな種類の動画広告があるのかを見ていきましょう。
主な動画広告には以下のようなものがあります。
- インストリーム広告
- インフィード広告
- インバナー広告
- インリード広告
- インスタグラム/Tiktok広告
- Youtube広告
順に解説していきます。
なお、国内の動画広告ではインストリーム広告とインフィード広告がメジャーです。
インストリーム広告
インストリーム広告とは、動画サイトでの動画再生中に表示される広告のことです。
インストリーム広告は、他の広告に比べてクリック率が高く、テレビCMのように表示出来ることから「商品やブランドの魅力をアピールしたい」という場合に用いられます。
また、インストリーム広告は、視聴者の目にとまりやすいことから、動画の視聴時間も長くなる傾向にあります。
一方で動画に割り込む形で再生されるケースもありますので、最後まで表示されないこともあり、途中でスキップされてしまうこともあります。
しかし、インストリーム広告は、動画の「続きが気になった」という視聴者からのアクションが期待できるため、結果的に「良い印象」を与えやすくなっています。
なお、それぞれ動画の冒頭・途中・最後の広告として
- プレロール
- ミッドロール
- ポストロール
という名前があります。
※余談ですが、最後の「ポストロール」は「Post-roll」です。誤ってボストロールと呼んでしまうと話が変わってくるのでご注意ください。
インフィード広告
インフィード広告とは、SNSやニュースサイトなどのコンテンツフィード内に配信される動画広告のことを指します。
一見、普通の投稿や記事のように見えますが、これらには広告であることを示す表記が必ず付されています。インフィード広告はユーザーの目に留まりやすく、自然な形で情報伝達が可能です。
さらに、ユーザーの反応もリアルタイムに取得できるため、広告の効果測定や改善も容易な点も特徴の一つです。
動画広告運用を始める際には、是非とも視野に入れておきたい広告形態のひとつでしょう。
インバナー広告
インバナー広告は、通常のサイトの広告枠に動画を表示するタイプの広告です。
「イン」=「中」、「バナー」=「バナー(そのまま)」ということで、バナーの枠に動画を入れるという考え方です。
インバナー広告は原則無音で、クリックしたときに初めて音声が流れますのでコンテンツを邪魔しません。何度も表示させて認知を図るといった使い方も出来ます。
インリード広告
記事コンテンツの間に動画広告を表示するタイプの広告です。
インリード広告はコンテンツの一部として一緒に見てもらえる可能性が高く、また、記事を読んでいる最中に広告が表示されるので、離脱率が低くなるという特徴があります。
インスタグラム/Tiktok広告
インスタグラム/tiktok広告は、文字通り各SNSの動画コンテンツとして表示させる広告です。
インスタグラムの場合は、写真の下に「ストーリーズ」という機能があり、そこに動画として表示することが出来ます。
Tiktokについてはそもそも動画プラットフォームですから、より自然に動画を挿入できるという強みがあります。
Youtube広告
もはや説明不要かもしれませんが、YouTubeは世界最大の動画共有サービスであり、ここに広告を出稿することが出来るのがYoutube広告です。
最近ではGoogleアドワーズ広告と同じような仕組みで、検索結果ページに広告が挿入されるようになってきました。
このように、様々なニーズに合わせて広告出稿が可能です。
動画広告を成功させるコツ
動画広告は、視覚と聴覚を同時に刺激することで、ユーザーの興味を引きつける強力な手段です。
しかし、動画広告を成功させるためには、ただ魅力的な映像を制作するだけでは不十分といえます。
ここでは、動画広告を成功させるためのコツをご紹介します。
ペルソナやゴールの社内共通認識を持つ
まず、広告運用を成功させるためには「ペルソナ」や「ゴール」の社内共通認識を持つことが重要です。
これがなければ、チーム内で意見が分かれてしまい、広告の「クオリティ」や「統一感」が保てません。
「これは何のための広告なのか」「誰に向けて広告をするのか」そういった基本的なことを、チーム全体でしっかりと共有しておきましょう。 それが、広告の成功へと繋がります。
複数の施策を実施する
次に、動画広告だけでなく、サイトなどの遷移先についても改善も行うことが重要です。
「どれだけ素晴らしい広告があっても、遷移先が見づらい」場合には、成果は出にくくなってしまうでしょう。動画広告と遷移先が一体となって、初めてユーザーの行動に繋がるのです。
広告戦略トータルで成果につなげていくためのプランニング、実行力が求められます。複数の施策を同時進行で進めて、広告の効果を最大化していきましょう。
データ分析とPDCAをたえず行う
広告運用を行う上で最も重要なのが「データ分析」です。このとき、広告目的によって重点的に分析すべきデータは異なってきます。
各指標をしっかりと見て、想定よりも成果が低くなっていた場合には、早期に改善点を見つけて必要な施策に取り組みましょう。
なお、広告効果の最大化を目指すにあたって、仮説思考が重要となるケースもあります。
動画広告に関するよくある疑問・質問
続いては、動画広告に関する一般的な疑問についてQ&A方式で答えていきます。
初めて動画広告に取り組む企業の方、成果を上げるための戦略についてより深く知りたいと考えているマーケティング担当者の方は、ぜひご一読ください。
Q.社内で動画広告の制作から広告運用まで行うことは可能ですか?
A.はい、可能です。
ただし、そのためには社内に必要なスキルと知識を持つスタッフがいること、または適切な教育やトレーニングを受ける意志があることが条件です。
動画広告の制作・運用には映像制作、広告戦略、データ分析など多岐にわたるスキルが必要となります。クオリティの高い動画制作には、経験や専門技術が必要です。
また、広告運用では市場の動向を理解し、その上で戦略設定や効果的な広告施策を選択しなければなりません。さらに、広告の成果をデータ分析して改善策を考え出す必要もあります。
こういった広範で高度なスキルを社内で持つことは、容易ではないかもしれません。しかし、意欲と適切な学習の機会があれば、社内での運用も十分可能と言えるでしょう。
Q.どのようなケースの時に、動画広告の制作や運用をプロに任せるのがおすすめですか?
A.自社でやっても思うような成果が出ない、クリエイティブのクオリティを高めたい、効果的な広告施策を相談・依賴したいときは、プロに任せましょう。
動画広告の制作や運用には、専門的な知識と経験が必要です。自社でこれらのスキルを保有していない、またはビデオ広告に取り組む時間やリソースが限られている場合には、プロの手を借りることをおすすめします。
プロに相談すれば、効果的な広告施策や成果を最大化するための広告コンテンツの最適な制作方法など、専門的なアドバイスが得られます。
Q.インハウス支援会社にも動画広告の相談や依賴はできますか?
A.はい、できます。
ただ、動画広告に対応しているかどうかは会社によりますので、事前に確認しておきましょう。
多くのインハウス支援会社では、広告運用だけでなく、マーケティング全般にわたるサポートを提供しています。動画広告だけでなく、ウェブマーケティング全体の戦略策定やその他の広告媒体への対応、成果分析や改善策の提案など、包括的なサポートを受けられるでしょう。
まとめ
今回は「動画広告の作り方まとめ|正しく動画を撮影するコツは?」と題してお送りしました。
動画広告は、最近になって急速に普及してきた広告手法です。市場自体もかなりの勢いで拡大しています。
しかし、一方で動画広告はまだ発展途上な部分もあり、これからさらに進化していくことが予想されます。
つまり、まだ参入のチャンスはあるということです。特に動画広告はリスティング広告の知見を活用・転用して出稿することも出来ますし、今後ますます伸びていくことが予想される分野なので、ぜひ一度検討されてみてはいかがでしょうか。
なお、当社では動画広告はもちろんのこと、リスティング広告に至るまで広告運用の内製化をご提案しております。
自社の強みを最大限に発揮した広告展開と、ノウハウの蓄積をご希望の企業様は、是非一度お気軽にご相談ください。
弊社では伴走型のインハウス支援により、 「広告担当者の育成」を承っております。
・広告運用の品質はプロ水準
・実際に運用するのは貴社(貴院)広告担当者
・広告代理店への外注・委託と異なり、ノウハウやテクニックは自社(自院)に残る
といった特長があります。
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