広告運用には残念ながら、トラブルが付きものと言わざるを得ません。
特に広告運用を担当している方は耐えず「トラブルにぶつかりつつ対処しつつ」で成長していくと言っても過言ではありません。
とはいえ会社の広告運用プロジェクトでトラブルが発生すると、大きな問題になりえます。
そこでここでは広告運用時にトラブルが発生した場合を想定し、即対応・要チェックのポイントをまとめてご紹介していきます。
トラブル発生時にはこの記事をよくお読みになり、適切な対応を行えるようにしてください。
ちなみにどうしようもないほど大きなトラブルが発生している場合は、プロの助けを借りるという方法もあります。
目次
広告運用でよくあるトラブル
冒頭のとおり、広告運用には残念ながらトラブルがつきものです。ここではよくあるトラブルについて項目別に解説していきます。
広告配信編
まずは広告配信実務におけるトラブルでよくあるものを紹介していきます。この辺りは設定ミスやその他の要因が原因というケースが多いため、広告運用担当者が独力で解決しなければならない部分も多分に含まれます。
広告配信が開始されない
広告配信が開始されない原因には様々あります。まずは広告アカウントの設定に問題がないか、確認してみてください。
その他、広告にセットしているURLの内容やクリエイティブに問題があり、審査に引っかかって配信開始とならないケースもあります。
特にクリエイティブ審査の厳しいFacebookなどのプラットフォームでは、なかなか配信開始とならずにトラブルになることも少なくありません。
広告からLPにジャンプできない
広告からLPにジャンプできない場合は、広告セット時に指定したURLに問題がある可能性があります。
例えば「http」と「https」のズレ(※古い運用のサイトだと有り得ます)、メンテナンスモードの設定、またレアケースですがいわゆる「Dev環境(開発環境)」で作ったサイトを本番環境にアップしていないなど、そもそものケースもあります。
URLが正しいのにLPが表示されない場合については、コーディングに問題があるケースも考えられます。
クリックが急に減少した
審査に通り滑り出しは順調だったのにも関わらずクリックが急に減少した場合は、広告セット内容に問題がある可能性があります。
クリエイティブの内容が配信後の審査に引っかかってしまったケースが、頻度としては多い印象です。
また、実務上は配信期間が長くなると「顧客がクリエイティブに飽きた」というケースも往々にしてあるため、基本的にクリエイティブは量産する方向で考えると良いでしょう。
その他、広告運用中に同様のジャンルで単価を引き上げた競合広告が出現した場合も入札に負け、結果的にクリックが減少することがあります。
広告運用編
続いて広告運用におけるトラブル編をご紹介していきます。広告運用編で起こるトラブルとして、概要的には予算消化に関するものやCVR・LTV関連のトラブルが多く見られます。
予算消化が早すぎる
予算消化が早すぎる場合は、日予算や入札上限単価周りでトラブルや設定ミスが発生している可能性が考えられます。
また、消化が異様に早いのにCVRが上がってこない場合は、そもそも意図しない広告クリエイティブ・URLで配信されてしまっているケースも考えられるでしょう。
キャンペーン設定については、消化率が早くてもCVするような設定であれば問題はないのですが、CVしてもLTVが低い場合は消化率を下げる方針で広告運用を進めた方が良いと考えられます。
CVRが上がらない
CVRが上がらない場合は、LPのコンバージョンポイントの設定やコンバージョントラッキング(ピクセル設定含む)が正しく設定されていない可能性が考えられます。
これにより、実際のCVと売上が合ってこないケースも「あるある」です。
また、そもそも広告のクリエイティブやキャンペーン設定がターゲットに合っていない広告になってしまっている可能性もあります。このような場合は、LPのコンバージョンポイントや訴求導線を見直した上で、広告運用を再開することを検討してください。
そして意外に思われるかも知れませんが、LPに誤字脱字があって顧客の信用を失っていたり、一部のボタンが動作していないなどLP側に致命的なミスがあるケースもあります。
これは潜在的なCVRは高いが、そもそも購入できないというパターンです。(過去に何度かこういったミスを見つけ、制作側に連絡を入れた事例があります・・・)
CVするがLTVが低い
CVはするもののLTVが低い!という場合も「あるある」です。マーケターとしては頭の痛い問題ですよね。
こういったケースではより顧客のコンバージョンに寄与しやすいフォーマットで広告を配信していくことを検討してください。例えば動画広告なども選択肢です。
また、LPの説明が事実に即したものかどうかも、一旦確認しましょう。「LTVが高い=顧客から見て信頼出来るプロダクト」という考え方もあるので、相反している部分があれば見直した方が良いでしょう。
CPAが異常に高い
CPAが異常に高い場合は、トラッキングの不備、広告のクリエイティブやキャンペーン設定のミスなどが考えられます。
その他、LPとクリエイティブに乖離があったり、入札上限単価周りでトラブルが起きているケースもあるでしょう。そして・・・運用初心者の方が特にぶつかりやすいポイントがあります。
(※わかりやすく表現すると、スーパーマ○オの1-1で最初に出てくるクリボーにやられるのと同じくらい確率は高いです)
予算を頻繁に変更している場合はプラットフォーム側の配信最適化学習が追いついていないことも多くあります。この後でも解説しますが、予算は一旦決めたらできる限り毎日変更しない方が良いと考えられます。
【即対応】広告運用でトラブルが起きたら
広告運用でトラブルが発生した場合、まずは即時対応が求められます。以下の様な流れに沿って対応していくと良いでしょう。
【前提】広告の一時停止を検討する
まずはトラブルが起きた広告を一旦停止し、広告運用を休止するかどうかを検討しましょう。お金がかかり続けている・課金され続けている場合は状況にもよりますが、基本的には広告を一旦停止するのが大原則です。
※多くのプラットフォームでは、広告の停止は管理画面からボタン一発で停止できるようになっています。こういった緊急停止に対応できるようにしているものと考えられます。
意図しない形でお金がかかり続けることと予算消化が未達に終わることであれば、基本的には後者の方が全体的にダメージが少ない印象です。予算未達でペナルティーが課されるケースもゼロではありませんが、会社に損失を与えるよりははるかにマシです。
※例えば月予算が200万円のケースだと、1日あたりの広告出稿費用は30日計算で6万円程度となります。トラブル発生時、1日放置してしまうと全くコンバージョンしない6万円を消化してしまうことにもなるので十分に注意しましょう。
原因を切り分ける
広告の出稿停止が完了したらすぐに原因の調査に取りかかりましょう。
多くの場合はここまででご紹介したようなポイントでつまづいているケースがほとんどなので、まずはどのパートで問題が起こっており、担当者は誰で、どういった修正が求められるのかを文章化するなどして整理しましょう。
問題発生時の対応フローは大まかにこのような流れになります。
対応に必要な人員を集める
最後に必要なのは対応に必要な人員を集めることです。
例えばLP・クリエイティブ周りで問題が発生しているならデザイナーやコーダーさんを呼んでくる必要があります。セールスライティングに問題があるなら、担当したライターさんを集める必要もあるでしょう。
広告配信設定に問題がある場合はご自身で対応するか、もしくはダブルチェックということも視野に入れつつ他の担当者にヘルプを要請する方法もあります。
※社内にたった一人しか広告運用担当者がいない場合は今後の事も考えて、広告運用のサポーターとしてインハウス支援会社を検討する選択肢もあります。
広告運用でトラブルが起きた際のチェックポイント
広告運用においては数々の要素が複雑に絡み合っているため、何かしらのトラブルが発生することは避けられません。
問題点を解決し、改善に繋げるために、以下の5つのチェックポイントを挙げてみました。
広告のターゲティングは適切か
まず、 ターゲティングが適切に行われているか確認しましょう。広告を適切なユーザーに配信しているのか、あるいは間違ったユーザーに広告が届いてしまっているのかを見極めることが非常に重要です。
例えば、「20代女性をターゲットにした化粧品の広告」を「40代男性」に表示しているようなケースでは、無駄な広告費用を使ってしまうだけでなく、効果測定が正確に行えず、またユーザーにとっても騒音となります。
「ユーザー像を明確に設定し」「自社商品の購買層と広告配信層が一致しているか確認する」ことにより適切なターゲティングが可能となります。
キーワード選定は適切か
次に、 広告のキーワード選定です。
広告の成否を大きく左右するのがこの部分で、適切なキーワードを選択しなければ広告の効果は半減してしまいます。「検索トレンドを確認し」「競合他社のキーワード選定をリサーチする」ことで、適切なキーワード選定が可能となります。
クリエイティブは最適化されているか
広告のクリエイティブは、ユーザーが最初に目にする部分であり、そのまま広告へのクリック率に影響を及ぼします。
鮮やかな色彩、わかりやすいメッセージ、購買行動に繋がる効果的なボタンなど、クリエイティブ要素は「ユーザーの行動を誘導する」ために重要です。
「A/Bテストを実施し」「パフォーマンスが良好なクリエイティブを見極める」ことで、最適化を図ることが可能です。
効果測定は行われていたか
広告運用における「効果測定」は広告活動を評価し、見直すために絶対に欠かすことのできない項目です。
「適切なKPI設定がなされているか」「効果測定ツールを正しく使えているか」チェックすることで、広告効果の最大化というゴールに近づけます。
予算配分は適切だったか
最後に、広告の予算配分についてです。
「効果的な広告媒体への投資比率は十分か」「予算の使用効率を最適化できているか」を再評価することで、無駄な出費を防ぎ、ROIの向上を実現することができます。
以上、5つのチェックポイントを用いて広告運用の問題点を洗い出し、解決に繋げていきましょう。しかし、これらのチェックポイントを一つ一つ潰していくのはなかなか難しいものです。
そのため、外部のプロフェッショナルな広告運用支援が必要な場合もあります。当社では、御社の広告運用を効果的に行うための伴走型インハウス支援を提供しております。
御社のチームの一員として寄り添いながら、一緒に広告運用を行うことで、広告運用の課題を一緒に解決していきましょう。
広告運用トラブルにおけるよくある原因
広告運用は、その結果に即時性が求められ、多大な労力とコストを要する活動の一つです。
そのため、細心の注意を払って運用していてもトラブルが発生することがあります。
それでは、広告運用におけるトラブルの発生原因は何でしょうか?以下に具体的な例を挙げておりますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
配信設定を間違えていた
まず一つ目は、「配信設定の誤り」です。
広告の配信設定は、ターゲティングの仕組みや広告出稿時間、配信頻度といった運用戦略の根幹を成す重要な部分です。
もし設定が誤っていた場合、予定していた広告運用戦略が崩壊し、結果として目標としていたKPIに到達しない、あるいは無駄な広告費を消費してしまうという悲惨な結果を招くことになります。
具体的には、広告配信の時間設定や地域設定を誤った場合、想定外のターゲット層に広告が配信されてしまう、あるいは広告が全く配信されないという事態が発生します。
また、インプレッションやクリック数を制御する設定も非常に重要で、設定が間違っていると広告の出稿頻度が異常に高まり、広告費が無駄に消費される可能性があります。
予算設定を間違えていた
二つ目は「予算設定の誤り」です。
先ほども少し述べたように、実は、広告運用における予算設定は非常に難易度が高いもの。事業計画や広告戦略に基づき、各広告に割り振る予算を設定しますが、その分配のバランスが取れていないと、一部の広告が過剰に広告費を消費し、他の広告が不足するという問題が起こります。
例えば、広告Aの予算が設定以上に消費され、その結果広告Bの配信がストップしてしまったケース。これは、予算配分のバランスが調整されていなかったために発生します。このように、各広告の予算設定のミスは、広告運用全体のパフォーマンスに大きく影響します。
広告運用における社内の方向性が一致していない
三つ目は「社内の方向性の不一致」です。
広告運用は、企業のマーケティング活動を一手に担う重要な部門です。そのため、広告運用の戦略や方向性は、企業の全体戦略と一致していなければなりません。
もし社内の部署間で広告戦略の方向性が一致していない場合、その不一致が広告運用のトラブルを生んでしまう可能性があります。
具体的には、営業部門が新製品の販売強化を求めている一方で、広告運用部門では既存製品の認知度向上に力を入れているといった状況です。
このような状況では、広告運用の効果が半減してしまうだけでなく、社内でのトラブルの元にもなります。
社内と広告運用外注先の方向性にズレが生じている
最後に、「社内と広告運用外注先との方向性のズレ」です。
広告運用を外注する場合、その運用方針は自社と完全に一致しているわけではありません。そのため、事前に運用方針やターゲットを明確に共有しておくことが重要です。
運用先とのコミュニケーションが不十分な状態で広告運用を進めると、最悪の場合、広告運用が全く予定通りに進まないという事態が発生します。
例えば、新たに外注先と契約を結んだものの、自社のブランドイメージやターゲティングについて十分な情報を提供できていない状況。この場合、広告運用が予期しない方向に進んでしまい、広告効果の低下や無駄な広告費の消費、さらにはブランドイメージの損傷を招く恐れがあります。
以上のように、広告運用のトラブルは様々な原因から発生します。しかし、それぞれの原因に対して適切な対策を講じれば、トラブルを未然に防ぐことも可能です。広告運用の成功には、日々の細かな確認作業と、適時な改善・見直し作業が不可欠であることを心に留めておいてください。さあ、広告運用の成功を手に入れましょう!
広告運用トラブルを防ぐ対処法とは
広告運用トラブルを回避するには、一歩先を見越した対策が必要です。
具体的な対策として、広告のゴール・KPI設定や、出稿計画策定、運用実績のこまめな確認といった要素が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
広告のゴール・KPIを明確に設定する
何が目標なのか、どのような成果を求めているのかを明確に設定することが重要です。
例えば、ブランド認知度の向上が目的なら「広告インプレッション数」や「リーチ数」、成約件数や売上を重視するなら「CV数」や「ROAS」をKPI(重要業績評価指標)とする、など具体的な数値目標を設定しましょう。
また、広告運用のゴールとKPIが明確でないと、「適切な配信設定」「広告文のクオリティ」「必要な広告予算」も見えてきません。これらは全て連動しているため、組織内でゴール・KPIが共有されていることが最重要です。
もし、この部分で困ったら、広告代理店ではなく、「伴走型インハウス支援」が可能な会社へ相談するのがおすすめです。御社のチームの一員として寄り添いながら一緒に広告運用を行うことで、ゴール・KPI設定もスムーズになります。
出稿計画を策定する
計画なき行動は、運用トラブルを招きやすいです。広告の出稿計画を立てることで、必要な予算やターゲット設定、広告クリエイティブなどを予め準備できます。
「いつ何を出稿するのか」「何のために出稿するのか」を明確にすることで、広告運用の流れをスムーズに進めることができます。
また、出稿計画の作成にあたっては、競合の広告出稿状況や市場の動向も踏まえて、適切なタイミングや頻度で広告を配信することが重要です。
こまめに運用実績を確認する
運用開始後、放置してしまうと広告のパフォーマンスが落ちたり、想定外の出費が発生したりする可能性があります。これを防ぐためには、 広告運用の状況をこまめにチェックし、必要に応じて調整を行うことが必要です。
具体的には、「出稿している広告のインプレッション数やクリック数」「コンバージョン数やコンバージョン率」など、定期的に確認しましょう。これらの数値が予想外に低い、または高い場合、何か課題がある可能性があるため、改善策を考えることが求められます。
上記の対処法を実践すれば、広告運用におけるトラブルは大幅に減らせるでしょう。
まとめ
今回は広告配信中から広告運用でトラブルが発生した場合のチェックポイントと、即対応するためのフローチャートについてご紹介してきました。
トラブルはつきもので、ほぼ必ず起こるものと考えて差し支えありません。重要なのは日頃からトラブルが起こった際にどのように対応するかということです。
弊社では伴走型のインハウス支援により、 「広告担当者の育成」を承っております。
・広告運用の品質はプロ水準
・実際に運用するのは貴社(貴院)広告担当者
・広告代理店への外注・委託と異なり、ノウハウやテクニックは自社(自院)に残る
といった特長があります。
さらに弊社は「薬事法管理者在籍のインターネット広告代理店」です。
よって薬機法・医療広告ガイドライン等の各種関連法規についても対応が可能となっており、さらに
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・KTAA(景品表示法・特定商取引法の知識を習得した広告取扱者)
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