昨今美容への需要が高まっていく中で、急速に売り上げを伸ばしている業界があります。
それがエステ業種です。
とは言うものの、エステ業種は数ある業種の中でも特に広告表現や規制が厳しく、悪気のない広告出稿であっても表現上アウトになってしまったり、最悪の場合は行政指導を受ける恐れがあるなどリスクの高いものでもあります。
ということでエステ業種の広告出稿にはコツが必要です。また注意すべきポイントもたくさんあります。
そこで今回は、自社内製でエステ業種の広告出稿をお考えの方や広告担当を任された担当者の方へ向けて、エステ業種の広告出稿において気をつけるべき表記や表現をご紹介するとともに、広告出稿で勝ち上がっていくためのコツについてもご紹介していきます!
目次
エステ業界の広告出稿先
現在、エステ業界でも情報発信を目的とした広告出稿の重要性が増しています。
しかし、その出稿先は多種多様で、自社のサービスをどのチャネルでアピールするかによって、結果が大きく左右されるため、出稿先選びは非常に重要です。
そこで今回は、エステ業界の広告出稿先について紹介します。
広告出稿先1:ホームページ
まず考えたいのが自社の「ホームページ」です。
自社サイトはあらゆる情報を一元管理できるため、ポータルサイトやSNSよりも詳細な情報を掲載できます。
また、SEO対策を行うことで自然な流入を増やすことが可能です。
広告出稿先2:Web広告
次に取り上げるのが「Web広告」です。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用した広告出稿により、ターゲットが自社を検索した際にトップ表示させることが可能です。
また、リターゲティング広告を活用すれば、訪問者を再度サイトに呼び戻すことも可能です。
広告出稿先3:SNSアカウント
女性に圧倒的な人気を誇る「SNS」も広告出稿先として有効です。
特にInstagramやFacebookなどは視覚的な魅力を伝えられるため、エステサロンのイメージを具体的に伝えることが可能です。
また、コメントやいいねなどの反応を得やすいのも特徴の一つです。
広告出稿先4:YouTube広告
動画コンテンツ人気の高まりをみせる「YouTube」も効果的な広告出稿先です。
動画によるサービス紹介や施術の様子を公開することで、実際のサロンの雰囲気を伝えられます。
また、YouTuberとのコラボレーションにより、そのフォロワーをターゲットにすることも可能です。
広告出稿先5:ポータルサイト
また、エステサロン専門の「ポータルサイト」への掲載も効果的です。
口コミやランキング情報が掲載されているため、他社との比較を行いやすく、自社の強みをアピールしやすいメリットがあります。
これらの出稿先を上手に活用し、自社の魅力を的確に伝えることで、集客力を高めることが可能です。
その際には、それぞれの特性を理解し、自社のターゲットに合わせて最適な出稿先を選びましょう。
エステサロンで広告出稿する際の流れ
エステサロンで効果的な広告を出稿するには、正確なターゲッティングから適切なメディア選択、そして効果測定までの一連のフローを理解し、マスターすることが重要です。
ここでは、その具体的な流れを一つ一つ見ていきましょう。
ターゲットを絞る
まずは 広告を出す目的とターゲットを明確にします。
「どの年齢層、性別、居住地域の人々に向けたサービスを提供したいのか」、「そのターゲットがどのようなライフスタイルや価値観を持つ人々なのか」、これらをしっかりと洗い出すことから始めます。
具体的なビジュアルイメージを持つことで、より鮮明なメッセージを伝えることが可能となります。
競合を調べる・差別化を図る
次に、同業他社の広告やサービスを調べましょう。
これにより、自社がどのように差別化すべきか明確になります。しかも、他社がよく出稿している媒体や使っている広告表現を参考にすることで、自社の広告戦略をより洗練させることができます。
広告媒体を決める
自社のターゲットに最も響く広告媒体を選びます。広告出稿先にはさまざまな選択肢があることは、先に述べた通りです。
例えば、若い女性をターゲットにする場合、彼女たちが普段利用するSNSやWebサイトに広告を出すと良いでしょう。
また、地元密着型のエステサロンであれば、地域情報誌や地元のポータルサイトに広告を出すことも効果的です。
広告予算を決める
広告予算は、広告の出稿期間や出稿頻度、広告媒体の種類などにより大きく変動します。
ターゲットに合った広告を出すためには、自社の財務状況を鑑みながら最適な広告予算を設定することが大切です。
実施可能な広告キャンペーンをプランニングするためには、具体的な広告コストを事前に調査しておくことが求められます。
広告(クリエイティブ)を作成する
広告の表現やデザインが集客に大きな影響を及ぼします。
自社のブランドイメージやメッセージを的確に伝えられるように、魅力的なビジュアルとキャッチーなコピーを作成しましょう。
また、広告表現に制限がある場合はそれに則りつつも、その制約内で最大限の効果を発揮できるようクリエイティブを工夫することが重要です。
広告表現を確認する
実際に広告を出稿する前に、表現内容やデザインが適切かを最終チェックします。
特にエステ業界では、薬機法などの法規制により広告表現に一定の制限があります。
よって、「痩せる」という表現や、具体的な治療効果を示唆するビフォーアフターの写真などは控える必要があります。
広告を出稿する
準備が整ったら広告を出稿します。
一部の媒体では自社で広告の出稿が可能ですが、専門知識や技術が必要なものもあります。 そういった場合には、広告代理店に依頼するのも一つの手段です。
それにより、広告出稿の手間を省くことができますし、より効果的な広告運用が可能となります。
効果測定を行なう
広告が出稿されたら、その効果を測定します。
Webサイトへのアクセス数や問い合わせ数、実際の来店数などを指標にすると良いでしょう。
また、SNSなどのデジタルメディアでは、クリック数やリーチ数などの数値を利用して広告効果を分析することが可能です。
改善した広告を出稿する
得られたデータを元に、広告の改善点を見つけ出します。
これにより、より高い効果を発揮する広告を次回出稿するための材料とすることができます。
具体的には、「どの広告がよく反応されたのか」、「どの媒体が一番効果的だったのか」、「どの時間帯に広告を出すと反応が良かったのか」などを確認し、それらを考慮して次回の広告を作成・出稿します。
以上がエステサロンにおける広告出稿の流れです。
絞り込まれたターゲットに向けて適切な広告を出すことが、新規客獲得やリピーターの増加に繋がります。
そして、そのためには効果的な広告戦略が必要不可欠です。各ステップを丁寧に踏むことにより、最適な広告出稿が可能となるでしょう。
エステ業界における広告出稿のコツ
エステ業種で広告出稿を行う際に気をつけておきたいコツをご紹介していきます。
具体的には技術的な要素とソフト的な要素に分かれます。それぞれのコツをご紹介していきます。
コツ1:ターゲットを明確にする
広告を作成するにあたって、まずはターゲットを明確にすることが大切になります。
誰に向けた広告なのか?ターゲットを明確にして、その人により響く広告を作りましょう。
コツ2:客層に合わせた広告媒体を使う
ターゲットが明確になったら、それにマッチした広告媒体を選択します。
ターゲットが比較的若年層であれば、ソーシャルメディアを使ってリーチすることを検討するとよいでしょう。一方、ターゲットが年配者であれば、印刷物やテレビなどの伝統的なメディアが好まれる傾向にあります。
親しみのあるもしくは利用回数の多い広告媒体を介すことで、より高い集客効果を見込めます。
コツ3:客層に合わせたデザインにする
伝えたい内容を記載するのはもちろん、ターゲットに合わせたデザインを使用することも重要なポイントのひとつです。
内容が充実していても、デザインに心惹かれない広告を目にしたことはありませんか?
ターゲットにする客層がどのような画像や色彩を魅力的に感じるのか、興味を持ってクリックしたくなるのか?どのようなコピーが注意を引きやすいのか?ターゲットに合わせた広告を作成することで、彼らの注目を集め、集客に成功する可能性が高くなります。
コツ4:違法な表現方法を回避する
エステ業界の広告には、違法とされる表現があります。
故意ではないとしても、例えば、自社の製品やサービスについて虚偽の主張をすることはできません。また、過剰に効果が強調されている画像も使えません。(程度問題といった部分が多いものの、基本的に話を”盛る”のは全てアウトだと思ってください)
広告を作成するにあたり、関連する法律についての理解は深めておきましょう。
ここからは、広告の表現・表記について詳しく解説していきます。
エステ業界における広告出稿の注意点
エステ業界の発展に伴い、虚偽広告や誤解を招く表示に関する問題が発生しています。
ここからは、広告出稿の際に留意すべき4つの法律について具体的な事例を交えて紹介していきます。
注意点1:「景品表示法」に引っかかる表現・表記を使わない
エステ業界で広告を出す際に気をつけたい法律のひとつに景品表示法があります。
景品表示法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」といい、商品の効能についての虚偽の表示や誤解を生じさせるような表示を禁止しています。
- 優良誤認・有利誤認
- ビフォーアフターは優良誤認
- 期間限定、今だけ(実際は違う)→有利誤認
注意点2:「薬機法」に引っかかる表現・表記を使わない
薬機法とは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のことを指します。
昔の薬事法ですね。法律で効果が認められていない医薬品や国内未承認の医薬品について、その効果を断言することはできません。また「効果が期待できる」といったいわゆる「ずらし表現」も、最近はどんどんガイドライン・法律で規制が進んでおり広告のコピーを考えるにおいても専門知識が必要な時代となりました。
注意点3:「医師法」に引っかかる表現・表記を使わない
これが非常に重要なポイントとなります。
最悪の場合行政によって立入検査や指導が行われるケースもあるため、十分に注意しておきましょう。
なおこれと似たものに「医療法」というものもありますが、ここでご紹介するのは医師法に関連する表現や表記です。
具体的にはお医者さんの資格を持っていない方がドクターを名乗ったり「先生」を名乗ったりして、医師法に定められる医師であると誤認させるような表現は総じて禁止されています。
最近はカウンセラーやセラピスト、その他、美容ドクターといった形で代表者の方を紹介するケースも多いのですが、場合によってはフルスイングで医師法違反となります。十分に注意してください。
注意点4:「あはき法」に引っかかる表現・表記を使わない
あはき法とは「あんまマッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律」のことです。
エステでは「治療・医療行為」を行うことはできません。これにはマッサージも含まれていますので、注意が必要です。
医療類似行為と呼ばれるもので、あくまでも「リラックス・快適さ」の提供にとどまります。
・・・という話をしたところで、以下の画像をご覧ください。
これは設定として「一般的な癒しセラピーを行う方」が広告を自分で作ってみた図です。
どのポイントがアウトか、お気づきでしょうか?
まずそもそもマッサージ・足つぼ・はり施術は全て、法令法規に違反する表現となります。資格を持っているかどうかがわからないからです。
また代表者の部分も院長と記載しているため、こういった表現は完全にアウトです。最悪の場合行政がすっ飛んできます。
【要注意】2021年8月改正!薬機法のポイントを徹底解説
エステ業界にて広告出稿を行う際、最も注意すべきことといえば法律の規定。特に大幅に改正された薬機法には細心の注意を払うべきです。
では、一体何が変わったのか、その詳細とエステ業界における影響について確認してみましょう。
薬機法とは?
「薬機法」とは、正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称です。
「これまでにない高い安全性と効果性を持つ治療法や医療技術の研究開発を推進する」という目的を持ち、2003年に施行されました。
その影響は広範であり、健康食品、化粧品、エステなども対象となっています。
知っておきたい薬機法の改正ポイント
2021年8月に施行された改正薬機法では主に「広告表示ルール」の変更点に注目すべきです。
「有効」「効果的」等の表現、ビフォーアフターの写真や具体的な数字による効果アピール、または個別の症状や疾病の予防・改善に関する表現は一切認められなくなりました。
これらの表現を用いた場合、法令違反となり罰則が適用されることになります。
改正薬機法はエステ業界にどのような影響を与える?
改正薬機法の施行により、エステ業界への影響も少なくありません。特に広告表現に関して大きな制限がかかりました。
繰り返しになりますが、具体的な効果を示すビフォーアフターの写真の掲載や、具体的な数値を使った効果アピール、または個々の症状や疾患の予防・改善に関する表現を用いた場合、法令違反となり重い罰則が科されることになるのです。
これまで「効果抜群」「リバウンドなし」などの表現を用いていたエステサロンにとっては、広告戦略の大きな見直しが必要となります。
【やってしまいがち】エステサロン広告のNG例
改正薬機法により厳しくなった広告表現。
誤った表現がないか確認するため、エステサロン広告の代表的なNG例を紹介します。
ビフォーアフターの写真
「施術前後の効果がわかりやすい」と多くのサロンが採用していたビフォーアフターの写真。
しかし、改正薬機法の施行により、このような表現は禁止となりました。
具体的な施術効果を示唆するものは全て不可となるため、注意が必要です。
虚偽の口コミ
「お客様の声」や「口コミ」など、実際の利用者の声を紹介するのは有効な手段の一つです。
しかし、その中に虚偽の情報が含まれていると、信用を失うだけでなく法令違反となります。
事実と異なる割引や特典
「初回限定」「会員限定」などといった特典や割引が設定されている場合、それが事実と異なると偽装広告となります。
これにより罰則が科される可能性があります。
誰にでも効果があるような表現
「誰にでも効果がある」といった一律的な表現も禁止されています。
人によっては効果を感じられない場合もあるので、その可能性を否定するような表現は避けましょう。
治療や予防の表現を使っている
エステはあくまでリラクゼーションや美容のためのものであり、医療行為ではありません。
そのため、「治療」や「予防」などの医療的な表現もNGです。
痩せるという表現を使っている
「痩せる」もまたNGの表現となります。一部の人にしか効果がない可能性もあるからです。これらの表現が含まれると、法令違反の疑いが出てきてしまいます。
改正薬機法により、従来の広告表現が大きく変わることでしょう。
しかし、これを機に、「本当に必要な情報」を「正しい形」で消費者に伝えることの重要性を再認識することができるかもしれません。
正しい情報を発信し、消費者の信頼を勝ち取ることで、エステサロンのブランド価値を一層高めることが可能になります。
まとめ
エステ業界は需要が高くなってきているものの、その分だけ競合他社も非常に多くなってきており、また大手の進出も見られるなど、まさしく群雄割拠・戦国時代のような状況になっていると言えるでしょう。
しかし、だからといってこれから新規に参入される方や、現在ある程度の顧客を獲得していてさらに事業を伸ばしたい!と考えておられる経営者の方が遠慮する必要はどこにもありません。
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